陵水俳壇42

自句自解

名古屋陵水第42号

鏡餅木遣り中を進みけり
        石橋政雄(大6)
 数年前に、同期の友と国府宮の裸祭を見に行った時の景である。桟敷から見下ろしていると最初に奉納される大鏡餅が通り、引く人々の木遣り歌が印象的であった。
鮒鮨や藍色深き湖東焼き
        伊與正道(大6)
 幕末の一時期彦根藩の御用窯として生まれ没した湖東焼。濃い藍色の器に鮒鮨を合わせれば、琵琶湖の伝統と文化が一体化し食通ならずとも満足させられる。
同窓会やるかやらぬかコロナ梅雨
        倉坪和久(大13)
 昨年来のコロナ禍には泣かされている。毎年恒例の楽しみ会も散々迷わされた挙句、中止に。今年は是非にと思っているが。
腰痛に鳴けぬ番犬日向ぼこ
        青山政弘(大17)
 年末に孫とその友達と居間で遊んでいる時、テーブルから跳び着地した際に腰を痛めた様です。因みに、愛犬はミニチュアダックスフンドで胴長です。名前はマロン、雌です。
大根撒く今年は猿の来ぬ場所に
        片岡嘉幸(大25)
 九十を超えた親の面倒を見るため、週二回ほど実家で泊まり、名古屋と岡崎の二重生活をしている。実家では、幼馴染とのゴルフと野菜作りに勤しんでいる。野菜作りは難しく、予想以上の獣害に困っている。