挨拶・講演の要旨全文(2022年度支部総会)

■「支部長挨拶」全文

記:名古屋支部支部長・片岡嘉幸(大25)

本日は大変お忙しいところ、未だ収束せぬコロナ禍にもかかわらずご出席いただき、本当にありがとうございます。私は大学25回、名古屋支部長の片岡です。どうぞよろしくお願いいたします。この支部総会開催に際し、大学からこの4月に学長になられた竹村様、陵水会から理事長の山田様を始め、三重支部長様、岐阜支部長様にご臨席いただきました。まことにありがとうございます。

支部総会は、一昨年は中止、昨年は役員のみの開催でしたが、昨年末にコロナが収束した感があり今回こそ通常開催ができるものと期待していました。ところが、今年に入ってのオミクロン株の大発生で、未だに多くの会社が4名以上の会食や大人数での会合への参加を禁止する中ではありますが、大学34回の皆さんに知恵を絞っていただき、無事開催できたことを本当に感謝しております。

その他の支部活動も3年間、屋外開催のゴルフ大会以外は、ほとんど自粛してきましたが、徐々に、各種行事をスタートさせたいと思います。特に当地区の会社への就職を希望する学生とその先輩社員との交流を図る「学生交流会」は、ぜひ開催し、就職支援をしたいと考えています。

また、今年から「Next Ryousui」がスタートしております。学生、若手社員と先輩社員の公式「LINE」を通じての情報交換組織です。ぜひ皆様の貴重なご経験を、若手社員、学生に発信していただきたいと思います。この年齢差を越えた繋がりが、滋賀大学の最大の強みであり、彦根高商の伝統であると思います。

さて、この4月に大学の中に「彦根高商創立100周年推進委員会」が設定され、大学と陵水会が共同して記念行事を推進することになりました。100周年という一生に一回の大行事です。記念式典を来年の11月4日に行う以外は、まだ決まっていないことが多いですが、アイデアの一つに新しい大学の中をみていただく「彦根キャンパスツアー」が検討されています。部活行事、同期会行事を彦根で開催していただき、100周年事業をぜひ盛り上げていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

NextRyosui From 滋賀大学陵水会

NextRyosui 滋賀大学同窓生のみなさまへ
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■「学長挨拶」要旨全文

滋賀大学学長・竹村彰通氏

=彦根高商100周年=
最初の2年は、彦根キャンパス・彦根高商100周年を盛り上げたい。陵水会には募金活動等で大変お世話になっている。大学にも推進委員会を設けたので、一緒にやっていきたい。募金は、個人・法人いずれも順調に推移しているように思う。

100周年事業というのは、今後の100年につながるためのものである。
個人:100周年の事業を通じて大学とより密接な関係を築けるように、生涯教育等のコンテンツを提供していくような機会にしたい。
法人:企業との協力という形を作って、そこに協賛していただくというプログラムを考えている。

=大学の運営=
今年の4月から新しい中期目標が始まった(国立大学は6年周期で中期目標を立てて実行する)。未来創生大学をキーワードに上げており、文理融合教育、リベラルアーツ教育(広い意味での教養)、アントレプレナーシップ教育等に取り組んでいきたい。これまでにもやってきたが、データサイエンスを効果的に進めるだけでなく、社会連携を強化して外部資金の獲得などの好循環を作っていきたい。

=新プロジェクト=
2017年に数理・データサイエンス教育強化拠点6校のひとつに選ばれていたが、今年の4月から「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開の推進」拠点校(全国11大学のひとつに選ばれ)、順調に発展している。
■滋賀大学の実績が高評価、引き続き「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開の推進」拠点校に認定
https://www.shiga-u.ac.jp/2022/05/09/105805/

=新型コロナウィルスの影響=
学生の感染者は減ってきており、重症化した人もいない。今年の4月から、キャンパスには人が多くなっている。学生のリベンジ動向というか、友達を作りたい意欲が高いようである。第15回滋和戦も3年ぶりに開催された。

「学長挨拶」要旨まとめ 記:横井隆幸(大33)

■「理事長挨拶」要旨全文

陵水会理事長・山田 督(大19)氏

==100周年記念運動の体制==
昨年7月に開始した「陵水100周年」は、今年4月から「彦根高商創立100周年」となった。その理由は、大学と陵水会が一体となって100周年を祝うという趣旨に変わったため。募金目標は2億円。趣意書は、個人会員、法人会員向けと別になっている。

==陵水会館2Fが大きく変わります==
現在進めている陵水会館の改修工事に、寄付をする準備をしている。陵水会館2Fに「データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター」を置くことが、今年6月初めに決まった。このセンターは、国立の数理研究所の出先機関で、彦根から西(九州、沖縄まで)のDS・AIの研究拠点となる。陵水会事務局は、今年の秋に陵水会館1Fへ移転予定。
■データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター
https://dsai-shiga-u.studio.site/

==ビジネスフォーラム==
100周年記念事業として『滋賀大学ビジネスサイエンスフォーラム』を企画しており、講師の先生も学長のご尽力で内定している。是非ご参加ください。
開催日:2022/11/18(金)
会 場:日経カンファレンスルーム(日本経済新聞社東京本社ビル内)。

滋賀大学ビジネスサイエンスフォーラム20221118
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滋賀大学ビジネスサイエンスフォーラム20221118

もうひとつ『社会人のための 滋賀大学ビジネスサイエンスMOOC講座パッケージ』を今年の11月に開校予定。これは、大学と陵水会員を今後とも引き続き結ぼうという企画で、滋賀大学教授陣による日本初の体系的ビジネスサイエンス入門講座となる。30代、40代の若い方で学び直したいという方、是非ご参加ください。

滋賀大学ビジネスサイエンスMOOC講座パッケージ
「理事長挨拶」要旨まとめ 記:横井隆幸(大33)

■「日清紡って何の会社 講演をお聴きして」全文

■講師
日清紡ホールディングス株式会社 代表取締役社長
村上雅洋(大30)氏
~大学30回卒、進藤ゼミ、ハンドボール部。1982年に入社、2008年に執行役員になられて以降、経歴を積み重ねられ、2016年には代表取締役専務執行役員。2018年に代表取締役副社長、そして2019年3月に代表取締役社長に就任され現在に至る。~
■演題
『日清紡って何の会社?~事業変革の道程~』
2022年度名古屋支部総会 講演
2022年度名古屋支部総会 講演

日清紡ホールディングス株式会社は、関連会社125社、従業員数2万人余(うち半数は海外)という大きな事業を束ねる会社ですが、元々は繊維製品の会社としてスタートされました。

1944年の終戦直前に、ゼロ戦のブレーキ製作を国から指示されたのをきっかけに、戦後ブレーキ部品の会社としても大きく成長されましたが、2009年の分社化、持株会社制への移行後、事業ポートフォリオに占める無線通信、マイクロデバイス(半導体)の割合が大きく伸び、現在は東証プライムでも電気機器という分類になっています。ただ、これもまだ道筋半ばということでした。

この変革の契機として2006年頃、社会が求める事業構造から乖離したビジネスモデルになっているのではないか、という反省から、
「1)前例踏襲は非、変革を是。2)挑戦者精神を取り戻す。3)自前主義から提携・M&A活用へ。4)年功主義から実力主義・若手抜擢・外部人材活用へ」といった企業風土改革が進められたというご紹介がありました。

  • 企業として何を目指すのか、長期的な戦略・方針を明らかにする。
  • 企業にとって大事なことは常に変化していくこと。
  • 社会のニーズを理解し、事業活動を通して社会に貢献すること。
この改革が、今の日清紡HDの企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」と、今の企業グループの姿につながっています。 

2022年度名古屋支部総会 講演
2022年度名古屋支部総会 講演

こうした変革に、講師の村上さん自身がどう絡んできたか、ということについて、入社当初の女子寮舎監としての経験を始め、失敗もあったご自身の経歴の紹介と、そこでどのような学びがあったか、というお話がありました。

2022年度名古屋支部総会 講演
2022年度名古屋支部総会 講演

そして、社長としての今の想いとして、「理屈で人は動かない なるほどと思って人は動く。仕事はエライが人として偉いわけではない。(人としての軸)」「事業活動を通して人間社会に貢献する。大事なのは常に変化していくこと。事業を支えるのは多様な人財。(企業としての軸)」ということが語られました。

2022年度名古屋支部総会 講演

この間、コロナ禍で海外に行けなかったこともあり、国内の企業の従業員の方10~20人ぐらいのグループと語り合う活動を1年で100回ほど行い、企業グループのスローガンを具体的に腹に落としてもらうような努力を重ねてこられました。

講演全体として「変革」と「企業としての社会貢献」という言葉がキーワードと感じましたが、決して変革それ自体が目的ではなく、なぜ変えるのか、変わったらどうなるのか、そのビジョンを示し、社会のために、そして社員のために、トップとしてその思いを浸透させることに全力を傾けている社長さんの思いが印象的でした。

「日清紡って何の会社 講演をお聴きして」 記:千喜良博(大34・院15)