2020年6月2日、滋賀大学彦根キャンパスで講堂の改修竣工式が開催されました。新型コロナウイルスへの感染防止対策が講じられる中、陵水会理事長のほか学長や両学部長、彦根市長や彦根商工会議所会頭が新しくできた講堂前広場でテープカットを行いました。
耐震性能不足により、講堂の使用が停止されたのは2015年の春。約5年の歳月を経て姿を現した講堂は、以前と変わらず、凛とした佇まいのなかに温かみがある風貌でした。
耐震改修では、基礎を強化するため、講堂がジャッキアップ工法によって約1m持ち上げられました。元の大ホールはそのままの形を残しつつ映画上映が可能な設備を備え、元の小ホール部分は教育研究用に機能改善され、企業との共同研究や学生の集うスペースとして使用されていくようです。
講堂は、彦根高商の開学以来、ほぼすべての学生や教職員、地域の人々が目にしたシンボルです。1924(大正13)年に建てられて以来、現在まで、学校行事や地域振興、映画撮影などに活用されてきました。1931(昭和6)年には新渡戸稲造の講演会が、1937(昭和12)年にはヘレンケラーの講演会が行われました。近年では、映画「君の膵臓をたべたい」の撮影に使用されています。
これからも陵水会員や教職員、地域の人々の共通の場として講堂が活用され、彦根キャンパスとともにその歴史を積み重ねていってほしいと思います。
記: 今井綾乃(大58・院41)
※竣工までの様子を収めた動画が滋賀大学HPにアップされています。
https://www.shiga-u.ac.jp/2020/06/04/76900/