第26回陵水金鯱懇話会
第26回陵水金鯱懇話会は、2024年11月16日(土)に重機商工様の会議室にて開催されました。講師は産経新聞社の飯塚浩彦取締役会長(大29)。演題は「たかが新聞、されど新聞 ーマスコミ界で生きてー」です。滋賀大学卒業者では珍しいマスコミ業界で活躍をされている飯塚さんの講演という事もあり、27名と多くの名古屋支部メンバーが聴講しました。
講演内容
学生時代
飯塚さんは兵庫県出身。学生時代は落語研究会に所属、当時の恋愛バラエティ番組のラブアタックにも出られ、見事かぐや姫とカップル成立となったとの事。テレビ局の雰囲気に憧れ、テレビ局志望でしたが、縁が有り産経新聞社に入社されました。
記者時代
記者時代はグリコ森永事件、山一抗争、和歌山ヒ素カレー事件、JR福知山脱線事故など、事件取材に追われたとの事。グリコ森永事件では犯人のスクープを抜かれまいと必死に取材された事、山一抗争では取材現場での警察と暴力団のやりとりなど、皆、興味深く話しに聞き入っていました。
※ネット社会化における新聞ジャーナリズムについても多くを語って頂けました。
以下からはトピックスです。
ネット社会化による影響
- ネット社会となり、今の学生たちは新聞を読まなくなった。
- 新聞の発行部数は、3300万部(2012年)から2300万部(2021年)に減少。
- 新聞の閲覧時間も日当たり15分から7.2分に。
- このままでは、2036年には紙の新聞は消滅する可能性。
- 新聞社が儲からない→記者不足、記者間の競争力不足→ニュース砂漠(地方のニュースを絞り起こせない)→不正を見抜けない、ウラ話も取れない。
⇒民主主義の根幹が揺らぐことへの懸念。 - ネット/スマホの普及で、誰もが情報を発信。真偽不明の情報が溢れる時代。
⇒「自分たちの仕事は何なんだ」と悩む事も。
ネットの弱みと新聞の強み
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■ネット
- 何処の誰が書いたか?不明な情報が多い。
- 検索により自分の好きな情報のだけ触れる。
- アルゴリズムで、感心のない情報は遮断される。
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■新聞
- ヒトとカネをかけ、責任ある情報を発信。
- 価値判断が出来る。
- 関心のなかった情報が目に入る。知らず知らずのうちに幅広い知識が身につく。
⇒食事に例えると、ネットは「偏食」、新聞は「バランス食」
新聞ジャーナリズム
- ネットとAIだけでは、スクープ記事は生まれない。拉致事件などは記者が現場に行き、足で稼いだからこそのスクープ(AIは問題意思を持って取材しない)。
- ネットニュースのネタ元の大半は新聞記事。新聞離れは有っても、新聞記者離れはしていない。
- 新聞にはまだまだ信頼性があり、「価値」という判断材料を提供している。
- 産経新聞は、はっきりモノを言う。その為、様々なプレッシャーにも直面した(ロシア入国禁止、ビザ発給停止、名誉棄損訴訟)。
- 日本に産経新聞が有って良かったと皆さまに思って頂ける事を信じ、今後もおもねる事無く、タブーに挑戦してゆく。今後の一層のご支援を!
所感
記者時代、経営時代のウラ話を沢山織り交ぜてながら、軽妙な語り口で、あっという間に講演時間の一時間が過ぎました。しかしながら内容は、ネット社会の中での新聞ジャーナリズムの存在意義、産経新聞社の矜持も伝わってくるモノで、飯塚会長の熱いモノを感じる講演でした。
懇親会開催
懇話会後に、場所を日本料理屋「徳」に場所を移動し、「日本一早い忘年会」と称する懇親会を行いました。此方にも飯塚さんにも参加頂き、総勢24名が参加。また今回は紅二点で、今井綾乃(大58・経院50)さんと鈴木里佳(大57)さんも参加してくれました。
塚本浩三副支部長(大30)の乾杯の音頭で始まり、大変賑やかな会となりました。最後は、榎本さんの3本締めでお開きとなりました。
記:田中直樹(大34)
■産経新聞社
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