第10回演奏会
2022年1月23日(日)。陵水フィルハーモニー管弦楽団の第10回演奏会が無事終演しました。ひこね市文化プラザグランドホールにご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。エニグマ変奏曲(エルガー)、交響曲第4番(チャイコフスキー)という2曲は難曲でしたが、220名のお客様からいただいた万雷の拍手には、何にも代えがたい喜びと安堵を感じました。
というのも、従来は演奏会開催に約1年半をかけていたところ、今回はコロナ禍のため再々延期となってしまい、2019年1月初合奏から本番までの37ヶ月のうち、16ヶ月は練習できなかったという異常事態に陥っていたのです。
豪華客船内で感染症が蔓延しているというニュースを聞いた2020年2月は、まさに対岸の火事を眺めるようでした。しかし、関東圏で広がり始めた感染が関西圏でも確認され、あっと言う間に不穏な世相になっていったことをまだ生々しく覚えています。どうすれば良いやら見当もつかず・・・「オリンピックが開催されるなら演奏会を開催しても大丈夫だろう」と予想。その日程に合わせるように、まずは2020年4月開催を同年8月に延期。オリンピック延期に合わせて翌年9月に再延期。緊急事態宣言下で開催されたオリンピックには途方に暮れましたが、2022年1月の『この日なら客演指揮者の予定も会場もまだ空いている』というピンポイントのある日を見つけて、祈るように再々延期を決定。2021年後半から下降傾向にあった感染状況が関西圏でも次第に上昇傾向を見せはじめたものの、なんとか開催できた次第です。あと1週間遅かったら、出演辞退者が出たかもしれないタイミングでした。
延期になるたびに計画を立案し直し、各方面への協力依頼もやり直し。スケジュールの都合で出演できなくなる人が出ることを予想はしたものの、団員募集やエキストラさんの依頼がいつまでも続くという状況を初めて経験しました。また「検温だけでなく体調が少しでも悪ければ休む」「頻繁な手指消毒」「マスクをしながらの練習」「練習場の消毒や定期的な換気」「座席間の距離を適切に確保」「休憩時間は密にならず、食事も黙食」「大型楽器移動の際には車の窓を開けておく」等々の『感染症対策』には次第に慣れたものの、日常とは遠い緊張感の中での練習でした。そして、打ち上げを中止したので、終演後のお客様のいないホールにて客演指揮者よりご挨拶いただき、コンパマスターによる一本締めにて閉幕。最後まで一緒に走り続けてくださった各方面の皆々様方には、心より感謝申し上げます。
やっとの想いで乗り越えた演奏会でしたが、「エニグマっていい曲やなぁ」と心から感じました。交響曲は第1楽章が張り詰めた空気で終わり、第2楽章のオーボエのソロは本当に素晴らしく圧巻!第3楽章のピッチカートが綺麗に響いたあとの終楽章。全員がその緊張感を楽しみながらクライマックスへ向かった、あの一体感は今でも忘れられません。
記:横井隆幸(大33)