林健一氏(大25)が岡崎美術展入選
林健一さん(大25)が、定年退職後に楽しまれている趣味の写真で、第74回岡崎美術展(2021年10月)の写真部門に入選されました。
私が林さんと出会ったきっかけは、「滋賀大学陵水100年史」編纂委員会でのこと。共に編纂委員として、現在、会員の皆様からいただいた寄稿やアンケートをもとに100年史を編集しています。寄稿やアンケートのご回答を、ありがとうございました。
さて、林さんはこれまでにも、名古屋支部や陵水会本部で様々な活動をされてきました。例えば、2015年8月に行われた第5回陵水亭懇話会。林さんはその講師を務められました。演題は「彦根城マニアック探検ツアー:ファイトモード満々の近世城郭の見所を満喫しよう」。城好きの私。参加できなかったことを悔やんでいます。また、2019年発行『陵水会年報』の表紙を飾った写真。これは林さんが撮影した写真です。講堂と彦根城を1枚の写真に収めることができるんだ!と驚きました。
入選写真、また、写真撮影についてインタビューをさせていただきました(2021年11月に実施)。ここに、その内容を紹介いたします。
今井「岡崎美術展写真部門への入選、おめでとうございます。」
林 「ありがとうございます。」
今井「入選作品はオオスカシバの吸蜜という蛾の写真でしたね。」
林 「はい。趣味のひとつが写真で、最近は虫ばかり撮っています。」
今井「例えばどんな虫ですか?」
林 「我が家のマンションにどんな蛾がやって来るのか、昨年一年間かけてほぼ毎日、蛾の写真を撮りました。また、近所を散歩しながら、「ぶらぶら、虫の散歩撮り」をしています。
蛾は、季節によって種類が違っていて、たぶん400~500種類ぐらい撮りました。それぞれの形や色あい、模様などが、俺は枯葉で蛾ではないぞ!俺は木片で蛾ではないぞ!俺は鳥の糞で蛾ではないし不味いぞ!俺は木の幹の樹皮に紛れて蛾には見えないぞ!などと、鳥などに捕食されない工夫があります。
「ぶらぶら、虫の散歩撮り」は、道沿いの草むらや木立の中等にいる虫を手当たり次第に撮っています。大小さまざまな種類の虫達に遭遇します。蝶、トンボ、クワガタやカブトムシを含めたコガネムシ上科、ハムシ、カミキリムシ、オトシブミやチョッキリを含めたゾウムシ上科、バッタ類、カメムシ、アブやハチの仲間他、多種多彩です。
わざわざ遠くに出かけなくても、ごく身近なところにとてもたくさんの種類の虫達がいて、面白いです。一般的には虫は嫌われているので、関心の無い方がほとんどだと思いますが。」
今井「特に好きな虫はありますか?」
林 「好きというより、どの虫もとても興味深いです。
蝶や蛾の蛹のメカニズムやどうしてこんな形なの?といったことを考えると、とても不思議で思わず童心に帰ってしまいます。今年8月に、我が家のマンションの壁にタマムシが止まっているのを見て、思わず感動してしまいました。岡崎市の市街地で見たことと約50年ぶりに出会えたことで、大はしゃぎしてしまいました。」
今井「定年退職後も写真を楽しんでおられるご様子がよく分かりました。最後に、林さんが生活信条とされていることがあれば教えてください。」
林 「明るく積極的で、楽しく、前を向いて生活をしたいと考えております。人生は筋書きのないドラマであり、世の中は面白い事や物で満ち溢れていると常に思っております。」
今井「ありがとうございました。」
昆虫の仲間たち
蛾の仲間
身近な蝶
花に集まる蜂
ハナアブの仲間
※展示会、彦根城と講堂、昆虫の写真は林さんの撮影による
文責:今井綾乃(大58・院41)