突撃インタビュー 第11弾

山田康博(大31・ラグビー部、大矢知ゼミ)氏

【企画】
会報に広告掲載頂いた方々について、その宣伝も兼ねて人物紹介記事を名古屋支部ホームページに掲載させていただき、メルマガにて告知するこの企画。その第11弾として、現在、愛知県清須市で奥様とともに税理士事務所を営む中でご活躍されている山田康博さんをご紹介する。
【訪問期日】
2023年11月24日(金)13時~15時
【インタビュー会場】
山田康博税理士事務所(清須市清洲田中町)にて
突撃インタビュー第11弾 山田康博(大31)氏
【インタビュアー】
城所真男(大33・名古屋支部副幹事長)

山田さんの大学までの生い立ちを教えて下さい。
1960年、愛知県西春日井郡清洲町(現在の清須市)に生まれた。清洲小学校、清洲中学校を卒業し、将来は父親の税理士事務所(*)を継ぐことを前提に、名古屋北高校に進学した。大学進学では、会計学科のある大学のうち、一番近い滋賀大学を希望し受験した。願書を取りに彦根を訪ねた時に、その雰囲気が気に入ったことも滋賀大入学の動機になった。ラグビーとの出会いは、中学時代は野球部だったが高校に野球部がなく、ラグビー部に入ったことがきっかけだった。大学4回生の時には、ラグビー部の主将を勤めた。
*父は税務署勤務を50歳前に退職し、税理士として独立していた。
突撃インタビュー第11弾 山田康博(大31)氏
後列左から2人目(陵水ラガー記念誌より)
山田康博 大学1回生時 菅平高原
大学卒業後はどのような人生を歩まれてこられたのですか?
大学卒業後は、愛知大学の大学院に入学。比較的時間の余裕があったので、週に3回は彦根に行き、ラグビー部のコーチといいながら、生涯現役を目指して現役の学生と同じ練習メニューをこなしていた。大学院卒業後も彦根参りは続き、毎週1回と土曜日の練習と日曜日の遠征をずっと続けられたのは、地元・清須市のクラブチームの試合の助っ人に誘われる機会にも、しっかりプレーできる自分でありたいという思いが強かったからかもしれない。

妻とは、私の姉が経営する飲食店で知り合い、当時滋賀大ラグビー部の監督だった三神先生の仲人で結婚した。仲人をお願いに行った時、三神先生は妻に『これ以降も、旦那がラグビーに専念することに文句を言わないと約束できるなら、仲人を引き受ける』と言われた。その時の誓いが、自分のラグビー中心の人生を決定づけるものになった。平成8年(1996年)36歳の時、三神先生から引き継いだ「滋賀大ラグビー部監督」は60歳まで続け、次の入江直樹(大32)氏(現滋賀大教員、学生時代の自分の次の主将)へ繋げることができた。

大学院卒業後は父の事務所に入所し、平成元年(1989年)29歳の時に税理士登録。平成17年(2005年)45歳の時に父が亡くなると、事務所を妻と二人で背負うことになった。それからは自分で何とかしなくてはという自立心が出て、看板を作ったり、広告を出したり、ホームページを作ったりしてきた。
ラグビーは今の仕事にどのような影響がありますか?
滋賀大ラグビー部の学生は経験者が半分、残りの半分は初心者が入部してくる。激しいぶつかり合いでも怪我をしない基本の身体づくりから始めて、試合に出られるようになるまで育てなければならない。彼らをどう育てていくか、その練習メニューを作り実践していく。それを毎年毎年繰り返してチーム作りをした経験が、現在の仕事にも生きている。

例えば、起業する人への支援だ。計画的にしっかりプランをもって起業する人は、ほとんどない。所属している組織が嫌であったり、組織から排除されたりした人が起業するケースが多いので、そういった人は経営のことは何もわからない素人。その人の話を聞き、これから経営していくためのレクチャーを丁寧にすることで、その会社を支援していくというイメージ。

一般の会計事務所が嫌う、起業したての危ない面倒な顧問先を敢えて支援してこられたのは、ラグビーを始めた素人がゲームに参加できるように育て上げてきた、滋賀大ラグビー部のコーチ・監督の経験が生かされていると思う。
これからのビジョンを教えてください。
一言で言えば、生涯現役。ずっと、ラグビーをしていたい。そのための身体づくりを継続していく。仕事も定年がないので、いつまでも働く。これまでも、そしてこれからもずっと、税理士業とラグビーに一筋な人生を歩んでいこうと思う。
これから社会へ出る滋賀大生へのメッセージをお願いします。
最近入部してくるラグビー経験者からは、新しい価値観、新しいトレーニング方法など学ぶところが多い。しかし、ラグビーには本質的に変わらないものがある。新しい人たちは外見上のことを自分よりも知っているかもしれないけれど、本質のところを見失っていることが多い。その本質をしっかり見据え、大切に育むことを忘れないで欲しい。

そして、変化が激しくスピードの速い世の中ではあるが、自分の立ち位置をしっかり正しく把握して欲しい。「自分は何者なのか」「何ができて何ができないのか」「どうやって生きていきたいのか」を、まず自分自身がしっかり考え抜き、人からの忠告やアドバイスにもきちんと耳を貸し、自己満足や自分本位にならないことが大切である。そうすることで初めて新しいことへのスタートが切れるのではないか。

また、対面での議論が大切である。そこを避けて、SNSや機器を使ったてコミュニケーションしていても、本質は伝わらないことを認識することが大切だ。

山田さんへの突撃インタビューを終えて:城所の所感

■『初めて大学を見たときに、いいところだと感じた』というところから共感が湧き、話し方もとても穏やかで飾るところがなく、誠実で暖かい方だと思いました。我々が話しているすぐ横では、奥様とご長男が仕事をされていて時々、山田さんの話に頷いたり微笑んだり、時には詳細の説明を加えてくださったり、ご家族がラグビーを中心に深く信頼し合っておられるのだなと感じました。

他で働いた経験もなく、税理士というニッチな社会で、しかも滋賀大のラグビー部にずっと関わってきた人生に悔いはないと言われます。世界に羽ばたく商社マンを目指し、多くの人との関りや新しいこととの出会いを外に外にと求めてきた自分とは正反対の人生観に、本当の誠実さや人としての温かさを実感させられました。『深く考え抜き、すべてを把握して決断したい』と言われた山田さんの言葉に、堅実で常に本質に迫ろうとする強い意思を感じました。

突撃インタビュー第11弾 山田康博(大31)氏

記:城所真男(大33)

■山田康博税理士事務所
清須市清洲田中町29
https://www.yamada-zeirishi.net/