彦根高商100周年企画要旨全文(2023年度支部総会)

彦根高商100周年企画クイズ

まず、次の4点が案内されました。
  • (現在の滋賀大学彦根キャンパスを写した)映像を止めながらクイズを出題すること。
  • クイズは全部で4問。
  • すべて4択。
  • テーブルごとで答えをお考えください。
    ※テーブル毎に用意された「A」「B」「C」「D」の札を使うこと。

=問題1=

講堂は約100年前から、同じ場所に立ち続けている。昨年のクイズでも紹介されたように、講堂ではこれまでに多くの著名人が講演会を行ってきた。

問:昨年(2022年)、ある著名人がこの講堂で講演会を行った。
その著名人とは、次のうち誰か?
A 湯川秀樹(ノーベル物理学賞受賞)
B 鳩山一郎(文部大臣、内閣総理大臣)
C 黎元洪(中華民国大総統 れいげんこう)
D 本田圭佑(プロサッカー選手、日本代表)

<正解と解説>
正解はD本田圭佑さん。
2022年1月28日に講堂で、彦根キャンパスの運動部に所属する学生を前に、講演会を行った。

本田圭佑さん以外のABCの3人も、この講堂で講演会を行っている。彼らが講演を行った時代は、滋賀大学経済学部の前身である彦根高商の時、1923年~1944年の間。彦根高商の学校新聞をみると、1942年には湯川秀樹が、1932年には鳩山一郎が、講演をしていたことが分かる。そして、彦根高商ができて1年たった1924年には、黎元洪が講演をした。その時の様子が卒業アルバムに掲載され、黎元洪の直筆の書が現在も、陵水会に残されている。

彼らの講演会には、地域住民も参加することができた。約100年前から彦根キャンパスは、現代のリカレント教育にも似た活動を行い、地域社会に知を還元する拠点になっていたことがわかる。実は、太田裕美さんも来彦されている(1980年滋賀大学体育会が主催した彦根市民会館でのコンサート)。体育会や個人からの寄贈により、当時のパンフレットが残っており、現在も大学で保管されている。

=問題2=

体育館では、盛んに部活動が行われている。約100年前の彦根高商時代にも、彦根キャンパスで学生は運動部、文化部ともに積極的に活動をしていた。

問:彦根高商時代、1923~1944年3月の期間に存在していた部活動は次のうちどれか?
A 国文学部
B 弁論部(講演部)
C 社交部
D 科学技術振興部

<正解と解説>
正解はB弁論部。

この表は、高商時代、学友会に所属していた部活動。彼らは大会に出て成績を競ったり、日ごろの練習成果を生徒や地域住民の前で発表したりしていた。また、各部は中等学校を集めた大会を開いたりもしていた。
なお、選択肢A国文学部、C社交部、D科学技術振興部は、戦中から戦後直後にかけて、彦根高商から改称した彦根経済専門学校、そして、転換した彦根工業専門学校で結成されていた部活動。その当時の時代や文化が表された活動だったとおもわれる。

=問題3=

陵水会館は、わたしたち同窓会のシンボルの1つ。玄関前に、この写真に写る大きな記念碑が建てられていることは、ご存知の方も多いかと思われる。この記念碑は、今から40年前、陵水60周年記念として建てられた。建てたのは、彦根高商を1931年3月に卒業した本科6回の同期会、六陵会。

この記念碑には、祝三平という雅号の卒業生が詠んだうたが刻まれている。
幾星霜
希三たる日に来て
云うこと奈し
なつ可し能友
奈徒か志の【なになに】
祝三平

いくせいそう
のぞみたるひにきて
いうことなし
なつかしのとも
なつかしの【なになに】

問:この歌の【なになに】部分に当てはまる1字は、次のうちどれか?
A 城
B 湖
C 山
D 桜

<正解と解説>
正解はA城。
現在、彦根キャンパスには様々な記念碑や記念植樹がある。例えば、陵水会館の隣には偲聖寮跡が。陵水会館の前にある木の影には、大正十五年三月、彦根高商第一回卒業記念樹、と書かれた石碑が。講堂の横にある木々の中には「第一回寮生碑」と書かれた石碑が残っている。さらに、この講堂横にある木々の中には高商時代に彦根を訪れた朝香宮(あさかのみや)の植樹記念碑、当時の皇太子の御成婚記念碑など、様々な碑がある。

キャンパス内の記念碑マップを100年史に掲載予定なので、ぜひそのマップをもとに、キャンパスを歩いてみてください。

=問題4=

問:支部が結成された順に正しく並んでいる選択肢は次のうちどれか?
A 名古屋→京都→福岡→神戸。
B 名古屋→神戸→京都→福岡。
C 名古屋→福岡→京都→神戸。
D 京都→名古屋→神戸→福岡。

<正解と解説>
正解はA 名古屋→京都→福岡→神戸。
名古屋支部は、彦根高商の第1回生が卒業した1926年に結成された。東京と大阪支部と同じ年月に結成されている。名古屋支部に次いで、1928年に京都、1929年に福岡、1932年に神戸という順に結成された。名古屋支部のお隣の岐阜支部は1936年12月、三重支部は1937年6月に、浜松支部が1947年5月に結成されている。
東海地区の各支部は、長い歴史をもち、全国的に見てもこれまでに絶えることなく活動してきた数少ない支部。とりわけ名古屋支部は、まもなく100周年を迎える。ぜひ、その時には盛大に皆さんとお祝いできることを楽しみにしております。

最後になりますが

今回、クイズとあわせてご覧いただいたいくつかの資料は、それらの多くが、これまでに大学や陵水会館の片隅に眠っていたもの。過去に他の大学や同窓会などでは、このような使われなくなった資料が不要物として廃棄されてきた。しかし、滋賀大学や陵水会には、偶然にも資料が残されてきた。
そして、これらの資料をもとに100年史を綴ることで、陵水会の発展を願い、100周年を祝い、少しでも母校に恩返しをしたいと考えて、この100周年企画クイズを、昨年のプレ企画に引き続き作成して頂いたのが、今井綾乃(院41・大58)さんです。本当にありがとうございました。

出題者紹介

今井綾乃(大58、院41・名古屋支部副幹事長・100周年記念事業のひとつである100年史の編纂委員も担当)氏。100年史の編集に携わるようになったきっかけは、滋賀大学大学院に在籍して経済学部の前身である彦根高商について研究をしているためです。彦根高商の研究をしている私からだからこそ考えられるクイズを用意しました。ぜひ、皆さんご参加ください。※資料は陵水会所蔵・滋賀大学経済経営研究所デジタルアーカイブ参照

「彦根高商100周年企画クイズ」要旨まとめ 記:横井隆幸(大33)