「磯田道史氏」を聴講して

滋賀大学市民講座 第3回

「磯田道史氏」を聴講して

■滋賀大学 市民講座 第3回
【日時】2023年10月28日(日)14:00~15:30
【会場】滋賀大学彦根キャンパス講堂
【講師】磯田道史氏(国際日本文化研究センター教授)

10月28日(土)彦根の空は鉛色の雲に覆われて、昼過ぎには冷たい時雨が降り始め、季節の移ろいの早さを感じさせた。大学に行く前に、彦根キャッスルR&Sの隣にある蕎麦屋で伊吹蕎麦を食べたが、蕎麦、出汁ともに美味しく、彦根にもいい蕎麦屋があることを発見した。

「磯田道史氏」を聴講して 滋賀大学 市民講座 第3回 彦根高商創立100周年記念事業

13時に彦根キャンパス講堂に入った。開演前には、2階席も満員になるほど盛況であった。磯田氏は開演前にも拘らず、13時過ぎから20分ほど受講者に語りかけ、質問にも丁寧に応対されていた。会場の講堂について、古い建築物を残すだけでなく、今もなお現役として使用していることを称賛していた。

14時より講座開始。中野経済学部長の挨拶の後、講演が始まった。講演内容の1つは滋賀の魅力・底力の源泉の話、もう1つは磯田氏が現在も古文書で研究中の、徳川家康と甲賀忍者の関係の話であった。

滋賀の底力の要因の一つは、近江商人を中心に昔から民度が高いことにあるという。私なりには、近江は文化的にも精神的にもゆとりを感じられることが、東京など大都会にはない滋賀の魅力だと思っている。

徳川家康と伊賀忍者の話はTVドラマでも取り上げられているが、甲賀忍者との結びつきが強いという話は意外であった。古文書の解読も大変だが、それ以上に古文書を探し出すことに苦労の多いことが伝わってきた。

磯田氏は、豊富な知見を随所にちりばめて分かりやすく話されて、楽しく聴かせて頂くことができ、講演時間があっという間に過ぎてしまった。滋賀近江の魅力を再度認識した講演であった。最後に山田陵水会理事長より閉演の挨拶があり、15時20分に終了した。

帰りに、昔下宿していた本町辺りを久しぶりに訪れてみた。昔ながらの格子戸の家並みは少なくなったが、夕暮れの街には城下町の落ち着いた風情がたくさん残っており、彦根の良さを改めて感じた有意義な1日であった。

記:塩瀬和美(大22)

<参考>
■彦根高商創立百周年記念行事について
https://www.econ.shiga-u.ac.jp/ryosui/ryousuikai100zigyou/

■磯田道史氏(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/磯田道史